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【バドミントン】ジュニア期は要注意!トレラケ®は正しく使わないと傷害の原因になる⁉︎

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【バドミントン】ジュニア期は要注意!トレラケ®は正しく使わないと傷害の原因になる⁉︎

杉山
東京でコンディショニングトレーナーをしている杉山市朗(@16sugiyama)です。

 

バドミントンのトレーニングの一環でトレーニングラケットを使用して練習することがあると思います。

とても良いトレーニングになりますが、使い方を間違えると傷害(怪我)に繋がる可能性があり、特にジュニア期は注意が必要です!

私はジュニア期(小学生)はトレラケを使わなくても良いと思っています。今回はその理由と使う場合の注意点をまとめてみました。

 

 

 

 

トレーニングラケットとは?

まず今回のテーマであるトレーニングラケットは重たいラケットのことです。

具体的には、

  • トレラケ(重たいトレーニングラケット)
  • トレリングをつけたラケット(https://trering.jp/
  • ラケットカバーをつけたラケット
  • スピードミントンやスカッシュなどで使用するバドミントンより重たいラケット

のことを指します。

トレラケの中には重さはそれ程重たくなく、面が小さいスイートスポットトレーナーもありますが今回は重たいラケットに限定して話を進めていきます。

 

薫風スポーツの美濃社長からトレラケの開発経緯を教えて頂きました。

今から約20年程前に当時の大学生がスカッシュラケットでドライブ中心に打ってトレーニングしていたのをヒントに実際のラケットの形状で作ってみてはどうかという意見と発案があり開発したそうです。工場は「軽くして反発するカーボンの中にわざわざ鉛を入れて重くする意味が分からない」「ハトメの穴を開けた際にも中に鉛のゴミが入って取れないから金属にしてくれ」など色々な問題を解決して開発されたそうです。

ちなみにトレラケとトレカバー(ラケットにつけるカバー)は薫風スポーツの商標だそうです!

 

 

なぜ重たいラケットでトレーニングする?

最大の理由は子供達に上手くなってほしい、試合で勝ってほしいという思いからではないでしょうか?

その為には、

  • スマッシュを早くさせたい!
  • ドライブで力負けしないようにしてあげたい!
  • クリアーをしっかり奥まで飛ばせるようにしてあげたい!

などのために筋力強化やパワーアップさせたいからではないでしょうか?

しかし、子供は小さな大人ではないということを理解しておかなくてはなりません。

パワーは身体の成長と共に自然とついてきます!パワーや筋力の強化のためにトレラケを使うのは高校生になってからでも遅くないと考えています。

 

筋力強化以外にもトレラケには様々な効果を期待できると思います。

特に小学生がトレラケを使う場合は以下の目的のために使用するのは良いと思います。

  • ラケット自体が重たいので振り遅れないためにテイクバックを小さくする意識をつけるため
  • 大振りすることが難しいのでコンパクトなスイングを身につけるため
  • 効率の良いスイングを身につけるため
杉山
薫風スポーツの美濃社長は面の向きを確認するためにトレカバーを使うのは良いとおっしゃっていました!

しかし、これらの効果を得るためには練習の目的を理解し、正しく使う必要があると思います。

 

テイクバックを例にしてみると、

【良い例】

トレラケの利点を理解していて振り遅れないためにテイクバックを小さくする意図でプッシュ練習をする

【悪い例】

何も考えずにプッシュ練習をする。決めようとし過ぎてテイクバックが大きくなり振り遅れたり、大振りになってしまう

 

このように練習の意図をはっきりさせ、意識しながら練習しないと逆効果にもなりえると思います。

 

 

身体にかかる負担が増えるのも忘れないで!

ラケットが重たい=負荷が大きい”ということは身体にかかる負担が増えるという当たり前のことを皆さん忘れていませんか?

特にオーバーヘッドストロークの際は注意が必要です。

 

オーバーヘッドストロークは1番遠心力が働き力強いショットが打てる反面、肩の関節にかかる負担も大きくなります。
杉山
バドミントンプレイヤーのCさん
遠心力が働くとなぜ肩に負担がかかるのでしょうか?
遠心力が働くということはラケットの重さ以上の負荷が肩にかかるからなんです。
杉山

 

ジュニア選手の注意点

肩の関節は球関節といって、とても可動性が高い関節になります。

この可動性の高い関節を安定させているのが肩のインナーマッスルと呼ばれる筋肉達です。大袈裟に説明すると、この筋肉がなければ肩から腕の骨は抜けてしまいます。そうならない為にこの筋肉が伸びながら力を発揮して肩に腕の骨を引き止めてくれているのです。

筋肉は伸びながら力発揮をする際に1番ダメージを受けやすい為、トレラケなどを使ってフルスイングするとそれだけ大きな負荷がかかるということです。ただでさえ練習量が多く、身体が成長段階のジュニア選手が何も考えずにトレラケを使った練習をするのはリスクもあるんだと理解して頂きたいと思います。

このように正しいフォームで行っても身体にかかる負担が増えますので、身体に負担のかかるフォームの場合はより負担が増します。パワー強化の前に正しいフォームで打てるようになる練習が大切なのではないでしょうか?

大人と違い身体が成長途上の子供は、成長と共にパワーも自然とついてきますので、パワー強化は身長の伸びが止まる高校生くらいからで良いと考えています。

 

 

大人も注意が必要

大人でも姿勢が悪い選手は要注意です!

皆さんの周りにも四十肩や五十肩になっている方がいるのではないでしょうか?

姿勢が悪いと効率の良く身体を使えず四十肩や五十肩の原因となってしまいます。

四十肩や五十肩のはじまりは、

  1. 棘上筋の腱の部分が動作の度に挟まりダメージを受ける
  2. 1.の不良動作を続けることで肩に炎症が起き、腕が上げられなくなる

2.まで症状が進んでいればバドミントンができないと思いますが、1.の状態でプレーを続けている方は多くいらっしゃると思います。そういった方が肩まわりの筋肉が弱いからだと判断し、安易に肩のトレーニングにとトレラケで練習するのはリスクが伴います。鍛える前に肩のインナーマッスルが機能的に使える状態にするコンディショニングやスムーズな肩の動きを手に入れる為に姿勢改善に取り組むことをお勧めします。

また、肩に負担のないフォーム習得も大切ですね!

 

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ジュニア期のトレラケの選び方

まずは大人と子供では身長も体重も大きく違うことは絶対に忘れてはいけません。

そして、近年は競技開始年齢だけでなく競技に専念する年齢の低年齢化も考えなければなりません。

また、ラケットの進化と共にラリーが高速化してきており軽量ラケットが増えてきている点も考慮しなくてはならないと思います。

 

バドミントンプレイヤーのCさん
昔は2Uや3Uが主流でしたが、最近は各社軽量ラケットを出していますよね〜
私自身も今は薫風さんの8Uのラケットを愛用していますよ!
杉山

 

以下のように考えると子供がトレラケを使うとどんな風になるかイメージが湧きやすいと思います。

小学5・6年生の体重の平均は大体35〜39kgくらいです。この時期の選手が120gのトレラケを使うということは、

体重60kgの大人の場合、180〜210gのトレラケを使う計算です。これは重めのスカッシュラケットに相当する重さです。

逆に体重60kgの大人が120gのトレラケを使っているとすると、小学5・6年生なら80g前後のラケットを使う計算になります。

4U(80〜85g)のラケットが小学生にとっては大人がトレラケを使う感覚とあまり変わらない可能性があります。もちろんレベルや体格差はありますのでこれが絶対ではありません。

 

しかも最近は競技を開始する年齢が早くバドミントン1本に専念するのも早いことから、私はジュニア期の選手には軽量ラケットをお勧めしています。

私がお勧めしている軽量ラケットは薫風さんの世界最軽量9U(58g±2g)のラケットです。

 

最軽量ラケットの詳細はコチラ

 

こちらのラケットを普段使いし、4Uくらいの重さのラケットをトレラケとして活用するのが私が小学生のプレイヤーにお勧めしたい組み合わせです。

もちろんレベルや体格の違いによっての違いはありますが、小学生のうちは怪我をさせない環境作りが大切だと思います。

成長とともに筋力も自然についてきますので、成長に合わせて少しずつラケットとトレラケを重たくしていくのが理想的だと考えています。

 

 

小学生が安全に行えるトレラケの活用例

これから紹介する活用法も小学校高学年になるまでは実施する必要はないと思います。

それでもトレラケを導入する場合は、トレラケを有効活用する為にはメリットだけでなくデメリットも理解した上で活用するのが大切だと思います。特にジュニア選手の場合は指導者や保護者の方が練習に取り入れるケースが多いと思いますので、子供達にきちんと説明できるようにしておくことが重要です。

また、強度は上がるため使った部位の筋肉のケアも忘れずに行いましょう!

※以下の活用方法は9Uなど軽量ラケットを普段使いし、4Uラケットをトレラケとして使う場合も含みます

 

素振りで活用する

鏡を見て大振りにならないように注意しながらの素振りはとても効果的だと考えます。ラケットが重たい分正しい振り方をしなければうまく振ることができない為です。インパクトするポイントで1番力が入るように意識し、回数を決めて集中して行うと良いでしょう。闇雲に何百回も行うのはお勧めしません。

 

基礎打ちで活用する

特にドライブやプッシュ&レシーブがお勧めです。大振りしないように意識させることでコンパクトなスイングを身につけながら筋力強化にも役立つでしょう。選手だけだと決めたい意識などが強いと大振りになりやすいため指導者や保護者の方が注意深く見る必要があるでしょう。

 

壁打ちで活用する

基礎打ち同様、壁打ちではドライブやレシーブの動きが多くなり、早い球を打てば早く返ってくるためコンパクトなスイングを身につけながら筋力強化に効果的です。基礎打ちに比べ距離が近く早い球を打てば早く返ってくる為、選手1人でも無意識のうちにコンパクトなスイングが身につけやすいでしょう。

 

 

まとめ

今回はトレラケを使った練習のリスクと小学生がトレラケを使う際の注意点やお勧めのラケットについてまとめてみました。

トレラケを使って練習するということはそれだけ向上心があるということだと思います。しかし向上心が高い子が落ち入りやすいのが鍛えることばかりしていてオーバーワークに陥ってしまうことです。

どんなに良い練習をしても怪我をしたり、コンディションを崩してしまっては元も子もありません。

レベルや体格に合わせた最適なトレラケ、ラケットを選んで小学生にはバドミントンを怪我なく楽しんでほしいものです。

この記事が小学生からトレラケを使う意味を考えるきっかけになれば嬉しいです。

 

 

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