先日、東京都スポーツ文化事業団主催の競技力向上テクニカルサポート事業の指導者交流シンポジウムに参加してきました。
テーマは、『女性アスリートの心と身体の諸問題』で、産婦人科専門医でありスポーツドクターでもある髙尾美穂先生、バレーボール元日本代表の益子直美さん、ラグビー日本代表ヘッドトレーナーの井澤秀典さんのお話しを聞いてきました。
今回は、世界のトップを知るお三方の話の中から皆さんと共有したい情報をまとめてみました。
女性アスリートが抱える問題点
特に、女性アスリート自身・学校の先生で部活に関わっている方(特に男性教員)・スポーツをやっている女の子のお子さんがいる親御さん(特に体重が影響する競技をやっているお子さんの親御さん)に知って頂きたい情報です。
ACL(前十字靭帯)の怪我発生率が男性の2〜8倍
前十字靭帯の怪我は選手生命にも関わる大怪我になります。
発生率2~8倍とかなり幅がありますが、女性の場合はその8割が非接触型スポーツで発症しているという事実があります。
これは、ラグビーやサッカーのようにコンタクト(接触)があるスポーツより対戦相手と接触がないバドミントンの方が起こる可能性が高いということです!
ここではなぜ発生率が高まるのかには触れませんが、体の専門家によるトレーニング・コンディショニング指導を受けることで怪我の確率は大幅に減らせるでしょう。
6割の女性アスリートが生理について何らかの悩みがある
さらに生理が調子の良し悪しに影響があると回答しています。
生理は非常にデリケートな問題であるため、特に男性が関わることが難しく選手・生徒任せになっているのが現状ではないでしょうか?
特に学生レベルで対策しているチームはまだまだ少ないと思います。
バドミントン日本代表経験者の方にも話しを聞く機会がありましたが、所属していた実業団では選手任せ、日本代表でさえ専門スタッフはいても希望者のみ指導という現状です。。。
※ここ数年で変わっているかもしれませんが…
海外のサッカーチームは全ての選手の生理状況をチームが把握し、練習メニューを組んでいます。
バレーボールでは特にセッターの選手がチームの生理状況を把握してトスをあげる選手を変えたりしているそうです。
メジャースポーツは進んでいますね。。。
講師からのアドバイス
生理対策の1つに低用量ピルの使用を選択肢に入れてほしいと婦人科医の高尾先生は言っていました。
ただ、ピルは避妊具としてのイメージが強く生理のコントロールに使えることが浸透していないのが現状のようです。
同じようにピルの使用に不安のある方はお近くの婦人科に相談すると良いでしょう。
また、3ヶ月生理がきていない場合・15歳までにはじめての生理がきていない場合・生理痛が酷くて、血が少し出た時点から痛み止めを計6回飲んでも症状が改善しない場合も婦人科の受診を強く進めていました。
私自身もこの分野の専門家ではないので、何か困っていることがあればお近くの婦人科に一度相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は女性アスリートの抱える問題点についてご紹介しました。
怪我についてはトレーナーに、生理問題に関しては婦人科へ!
1人で悩まず、困っていることがあるなら専門家にますは相談することが最善の近道です。
この記事が女性アスリートの特有の怪我と生理問題を考えるきっかけになれば嬉しいです。
この記事が面白かった、参考になったという方は下記SNSボタンからシェアして頂けると嬉しいです!