前回は運動不足解消のための運動として足首まわしをご紹介しましたが皆さんやってみましたか?
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足首まわしで運動不足解消!
杉山東京でコンディショニングトレーナーをしている杉山市朗(@16sugiyama)です。 新型コロナウイルスの影響でジム通いやスポーツ活動をお休みしている方、テレワークで活動量が低下して ...
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今回は足首まわしよりもっと手軽にどこでも行える“呼吸”に関するセルフコンディショニングをご紹介します。
呼吸には様々な筋肉が関わっており呼吸を整えることで、不調改善、健康増進、パフォーマンスアップに繋がりますので是非お試しください。
目次
呼吸の仕組みを知ろう
そもそも呼吸をどうやっているか意識していますか?
当たり前過ぎて考えた事がないという方がほとんどではないでしょうか?
まずは簡単に呼吸の仕組みを理解してからエクササイズに挑戦しましょう。
肺は自分では動けない⁉︎
皆さん肺は勝手に動いていると思っている方がいらっしゃいますが、実は肺そのものでは動く事ができないのです。
【肺とは?】
・生命活動を維持するために酸素を体内に取り込む。
・意外に大きく、鎖骨の下から肋骨の下の方まである。
ではどうやって動いているかというと周りの筋肉(主に横隔膜)が動かしているのです。
息を吸う時は横隔膜が下に下がり肺が膨らむスペースを作ります。そして息を吐く時は横隔膜が上に持ち上がり肺が押し上げられ空気が外に出されます。
横隔膜は心臓と同様自律神経に支配されているので意識しなくても動き続け寝ている時も呼吸をしてくれます。
《主な呼吸筋》
横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群、多列筋、斜角筋、胸鎖乳突筋、肋間筋、腹斜筋、腹直筋、僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋
「肺は周りの筋肉が動かしている」という事だけでも知っているだけで呼吸関連のエクササイズをする時の意識が変わりますよ!
呼吸を整えることで得られる効果
呼吸には約20の筋肉が関わっていますが、このほとんどが姿勢にも関わっているため呼吸を整える事で姿勢も整う事になるのです。
逆に正しい呼吸ができていないと使い過ぎの筋肉と使われない筋肉が出てきて姿勢が乱れ、姿勢が乱れる事でさらに呼吸が浅くなるという悪循環が起きてしまいます。
呼吸の整え方
正しい呼吸ができているかは簡単にチェックできますので一緒に確認してみましょう。
正しい呼吸ができているかチェック
良い悪いではなく今の状態をチェックしてご自分のクセを知りましょう。
また、コンディショニング前後での変化をチェックするためにもまずは今の呼吸の状態をチェックすることからはじめます。
チェック①
胸に手を当てて呼吸をしてみて、前後に動いているか確認してみましょう。
巻き肩になっていたり、前屈みで過ごす時間が長くなっていませんか?
姿勢と呼吸にこんな繋がりがあるんですね。
チェック②
横腹に手を当てて呼吸をしてみて、息を吸う時に横に膨らむか確認してみましょう。
ウエストが太くなったり、便秘や腰痛でお困りではないですか?
その他のチェック
・肩が上下していないか
・息を吸う時にお腹が膨らみ吐く時にお腹が凹んでいないか
なども確認してみましょう。
まずは自分の呼吸のクセを把握してからコンディショニングを行う事が大切で、決して良い悪いの判断だけにならないようにしましょう。
日常のちょっとしたことで状態が変わることもありますので、毎回チェックすることで本当のクセが見えてきます。
正しい呼吸を身に付ける
筋肉を整えるためには使い過ぎの筋肉をリセットし、使えていない筋肉を正しく使ってあげることが大切です。
筋肉を整えるとは?コンディショニングとは?
↓詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください↓
呼吸をしやすくする準備
肋骨の間にある肋間筋という筋肉が硬くなり動きを邪魔している可能性があります。
まずはこの硬くなっている筋肉を圧しさするテクニックで弾力を取り戻すことが重要です。
【胸が前後に動かなかった方】
写真の赤丸部分の骨と骨の間に指を当ててさすります。右手で左胸をさすると行いやすいです。反対側も同様に行います。
【横腹が横に膨らまない方】
写真の青丸部分の骨と骨の間に指を当ててさすります。右手で左側をさすると行いやすいです。反対側も同様に行います。
どちらもマグロの中落ちをスプーンでかくイメージで行いましょう。
まずは各30秒ずつ2分間やってみてもう一度呼吸をチェックして変化を確認してみましょう。
正しい呼吸の練習
呼吸しやすくする準備ができたらいよいよ正しい呼吸の練習です!
【寝て行う方法】
仰向けで寝て膝を立て脚をしっかり閉じます。両手は無理のない範囲で横腹に当てます。この時肩に力が入らないように注意しましょう。鼻から息を吸い、口からはぁーと息を吐ききります。息を吐く際横腹に当てた手で横腹をサンドするように行うと効果的です。
【座って行う方法】
イスに浅く座り脚をしっかり閉じます。両手は無理のない範囲で横腹に当てます。この時肩に力が入らないように注意しましょう。鼻から息を吸い、口からはぁーと息を吐ききります。息を吐く際横腹に当てた手で横腹をサンドしながら背骨側にさするように行うと効果的です。
【立って行う方法】
踵同士をつけ爪先をハの字に広げて脚をしっかり閉じます。両手は無理のない範囲で横腹に当てます。この時肩に力が入らないように注意しましょう。鼻から息を吸い、口からはぁーと息を吐ききります。息を吐く際横腹に当てた手で横腹をサンドしながら背骨側にさするように行うと効果的です。
ポイントはしっかり息を吐き切ることとお腹をえぐるように息を吐くことです!
まずは1回10呼吸を目安に行い、実施後は再度呼吸のチェックを行い、呼吸がしやすくなったか確認しましょう。
仕事の合間やお風呂の中で肋間筋をスリスリ、朝起きた時に寝たまま10呼吸、通勤通学中に10呼吸、寝る前に10呼吸、ライフスタイルに合わせて生活に取り入れてみてください。
まとめ
今回はセルフコンディショニング種目第二弾として“呼吸”の整え方をご紹介しました。
1日に2万回行う呼吸を整えるだけでも多くの不調が改善され体質が変わる方もいるぐらいです。
いつでもどこでも意識できる呼吸を整えることからはじめて健康な身体を手に入れましょう!
この記事が健康作りの第一歩になれば嬉しいです。
参考文献:
有吉与志恵,息のしかたでカラダは変わる!はく・すうの法則,高橋書店,2018年
牧野講平,横隔膜呼吸で「やせ体質」になる,池田書店,2016年
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