新型コロナウイルスの影響で様々な場所でマスク着用を求められる今夏はいつも以上に熱中症に注意してほしいと思います。
去年5~9月に熱中症で救急搬送された方が71,317人、一昨年は95,137人いました。
一昨年に比べ約2万人減ってはいるものの凄い数ですよね。。。
しかも救急搬送された数だけでこれだけいますので、救急搬送されていない方も入れると10万人を超えるかもしれません!
新型コロナウイルスの影響で医療現場に大きな負担がかかる中、これだけの人が救急搬送されたらと考えるとぞっとします。
そこで今回は水分補給やエアコンの活用などの皆さんが一度は聞いたことがある対策だけでなく、新しい生活様式に合わせた注意点を5つご紹介します。
熱中症の現状
冒頭でもお伝えしましたが、去年5~9月に熱中症で救急搬送された方が71,317人、一昨年は95,137人いました。
地球温暖化により熱中症による死者数は増加傾向にあり、特に人口の多い都市部(東京・千葉・神奈川・埼玉・愛知・大阪・兵庫・福岡)に集中しています。
そしてその多くは高齢者の屋内での発症によるものです。
近年は高齢者の一人暮らしが増え、近所づきあいが減り熱中症弱者である高齢者を見守る環境が悪化したことで、体調の異変にすぐに気づけなくなっているのではないでしょうか?
そこにきてコロナウイルスの影響により、人と人の“つながり”が減少することで熱中症の発症リスクを上げてしまうのではないかと危惧されています。
新しい生活様式に合わせた注意点
室内ではエアコンを適度に使う、十分な水分補給を心掛けるなど従来の熱中症対策だけでなく今年は新しい生活様式に合わせた熱中症対策が求められています。
高齢者への声掛け
特に一人暮らしの方、日常生活に支障がある方などの社会的孤立を防ぐことが重要です。
- 家族や友人と頻繁に連絡を取り合う
- 近所での交流
- あいさつ+体調確認の一言
などを意識し、これまで以上にお互いがお互いを気遣うことが大切です。
体調の記録をつける
熱中症の場合も高熱や怠さを訴えることがあり、新型コロナウイルスとの判別が難しくなってしまうケースが考えられます。
万が一体調が悪くなった際に、治療する医師の判断材料を増やすためにも、日頃の健康記録をつけ医療機関に提出できるよう準備しておくことが大切です。
- 持病の有無
- 毎日の体温
- 症状がいつからあるか
- 外出した場所と日時
などを記録し、もしもの時は救急隊員にすぐ渡せるようにわかりやすい場所に置いておくと良いでしょう。
マスク着用による注意点
現時点ではマスクをしているから必ず熱中症になりやすいと言い切れないようですが、心拍数・呼吸数・二酸化炭素・体感温度の上昇は起こるため身体に負担がかかるのは間違いありません。
また最近ニュースで聞くようになったN95のような通気性の悪いマスクは一般的なマスクより心拍数10%上昇・マスク内温度平均1度上昇・マスク内湿度平均10%上昇するため不必要に着用しないようにしましょう。
いずれにせよマスク着用により身体への負担は増大するため、外での作業や強度の高い運動などを行う際は十分注意し口の渇きを感じる前から小まめな水分補給を心掛け、フィジカルディスタンス・咳エチケットを徹底しながらマスクをはずしての休憩も大切です。
例年以上に暑さに慣れていない
今年は新型コロナウイルスの影響で外出自粛であったり、リモートワークなどで暑さに身体が慣れていない可能性が高いです。
また、学生の部活動などスポーツ活動も自粛が強いられ運動量が減っている中で、暑さに慣れていない身体で今まで通りの練習を行うと危険です。
フィジカルディスタンスや咳エチケットを徹底しながら散歩を行ったり、営業再開したスポーツクラブを活用するのも良いでしょう。
自宅であればラジオ体操や踏み台昇降などの運動を取り入れるなどして徐々に身体を慣らしていきましょう。
学生の部活動やスポーツ活動であれば練習頻度や時間、運動強度を徐々に上げることが怪我予防の観点からも重要です!
室内の換気を意識する
エアコンを使って室内の温度調節をするのはもちろんなのですが、新型コロナウイルス対策としては室内の換気も重要となります。
新型コロナウイルス対策の換気としては1時間に2回以上、1回数分が推奨されています。
しかし、換気を小まめに行うと室内温度が上昇してしまう可能性もあるため、すだれやカーテンなどで直射日光を避けたり、室内温度を小まめに確認することも重要です。
また、換気のできるエアコンもあるようなのでエアコンの買い替えを検討されている方などは選択肢に入れてみてはどうでしょうか?
まとめ
今回は新しい生活様式に合わせた熱中症対策についてご紹介しました。
3密を避けたり、小まめな手洗い・うがい・消毒など新型コロナウイルス対策をしっかり意識した生活ができている方が多いと思います。
それに+して今年は熱中症対策を意識して頂き、本当に医療が必要な方に医療が提供できる環境を作っていくことが、新型コロナウイルス終息へも繋がると思います。
この記事が新しい生活様式に合わせた熱中症対策やウイルスに負けない生活スタイルを考えるきっかけになれば嬉しいです。
参考資料:「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」,新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症診療に関するワーキンググループ日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本感染症学会・日本呼吸器学会
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